close

端午節は台湾の年中行事の一つで、旧暦の55日です。台湾の端午節といえば、粽、ドラゴンボートレースと立蛋です。

一見で粽といっても、地方によって異なり、北部粽、南部粽、客家粽、甘い粽、ピーナッツ粽といった様々な種類と形があります。よく知られているのは北部粽と南部粽です。作り方も全然違うので、食感も違います。

北部粽は味付けをして炒めたもち米を竹の葉で包んで蒸したものです。お米が一粒一粒がはっきりしていて、もちもちとした食感が楽しめます。日本人にとって、この食感は「中華おこわ」に似ているでしょう。

一方、南部粽は生のもち米を竹の葉で包んで茹でたものです。長時間茹でたもち米は、粘りがあって柔らかい食感で、あっさりした味が多いようです。台中出身の私は、南部粽がおすすめです。

北部粽といい、南部粽といい、シイタケ、塩漬け卵黄、豚の角煮、ピーナッツが入っていて、食べ応えがあります。食べる時に醤油膏(濃い目の醤油)もしくは甜辣醤(甘辛いソース)をつけて食べるのが台湾流です。

どうして端午節に粽を食べる風習があるかというと、その由来は中国戦国時代の詩人「屈原」(くつげん)と関係があるそうです。屈原は国王の側近として仕えていました。しかし、陰謀によって国を追われてしまい、国の将来に失望した彼は、端午の日に、川に身を投げて自殺してしまいました。地元の人は、屈原を助けようと、多くのボートを出して彼を探し、同時に彼の体が魚に食べられないように、魚の餌としてたくさんのちまきを川に投げ込みました。この伝説によって、端午節にはドラゴンボートレースを行ったり、粽を食べる習慣ができたと言われています。

そして、もう一つ近年SNSによく見られている「立蛋」という卵を立たせるチャレンジが流行っています。端午節のちょうど正午に、卵を立てることができれば、来年1年の幸運が訪れるという伝説があります。なぜ端午節の昼12時には卵が立つかというと、古来からこの日この時間には地球の引力が一番強くなるので、卵が立ちやすいと言われているかららしいです。

また、端午節を境に夏本番が来ると言われているので、虫が出てくる頃もあります。病気や災厄を避けるために、菖蒲(しょうぶ)、よもぎなどを家に飾って、香り袋を身につけて、雄黄酒(ゆうおうしゅ)を飲むなどの風習がまだ残っています。

さらに、台湾では「端午節の前に、冬物を片付けないで」という言い伝えがあります。これは端午節の前には、天気がまだ安定しておらず、冬の服を着るが必要あるかもしれないので、できるだけ端午節が過ぎてから衣替え(ころもがえ)したほうがいいという先人の知恵です。

ちなみに、日本にも端午があり、新暦の55日です。台湾の端午と違って、こどもの日と呼ばれています。男子の健やかな成長を祈願するための節句です。この際、日本人は家の外で鯉のぼりを立てたり、五月人形を室内に飾ったりします。それに、日本人も粽を食べる習慣もあります。さすがに美味しい食べ物に国境は関係ないんですね。

arrow
arrow
    全站熱搜
    創作者介紹
    創作者 Nao図書室 的頭像
    Nao図書室

    Nao日本語図書室

    Nao図書室 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()